ESG・SDGsを考慮した
役員報酬ガイドライン
ー経営陣のインセンティブ強化と
報酬制度の客観性・透明性確保の両立に向けてー
ビジネスと人権ロイヤーズネットワーク及びESG/SDGs法務研究会は、この度、日本企業、日本企業に投資を行う機関投資家,日本企業をサポートする弁護士・専門家を対象に、ESG・SDGsを考慮した役員報酬の設計・決定・開示に関する指針として「ESG・SDGsを考慮した役員報酬ガイドライン」を発表しました。
多くの日本企業その他の関係者の皆様におかれて、本ガイドラインが活用されることを期待しております。
ESG・SDGs
役員報酬ガイドライン
Backgrounds
ガイドライン策定の背景
真の意味でサステナブルなコーポレートガバナンスを日本に根付かせるためには、経営陣のESG・SDGs課題対応のインセンティブ強化と報酬制度の客観性・透明性確保を両立させる必要があるとの問題意識の下で、このガイドラインは策定されました。
近年、SDGsの採択やESG投融資の拡大を通じて、コーポレートガバナンスにおける役員報酬の設計の重要性が認識されると共に、企業のESG・SDGsの役員報酬への関連付けの必要性が高まっています。ESG・SDGs経営に取り組む企業が,その本気の取組を進めるためには,役員報酬においてESG・SDGsに関する非財務指標を考慮することが必要です。
一方で、非財務指標は財務指標と比較して定量化が困難であるがゆえに、企業が自社にとって都合の良い指標を用いることでは、「ESG・SDGsウォッシュ」や役員の「お手盛り」につながりかねません。
真の意味でESG・SDGs課題への対応、ひいては中長期的な企業価値の維持・向上を促すためには、企業が直面するESG関連リスク・機会や企業の経営戦略及び統合報告書との整合性も考慮した非財務指標を役員報酬の制度設計に組み込む必要があります。
また、役員報酬の決定にあたっては,第三者評価機関や外部専門家からの情報提供も参考としつつ、報酬委員会等を通じて業務執行から独立した社外取締役等が主導して決定するなど、客観性を確保する必要があります。
さらに、非財務指標や報酬制度の設計の内容に関して積極的な開示を行うことにより、役員報酬制度の透明性を高め,投資家等ステークホルダーからの信頼を確保する必要があります。
Structure
ガイドラインの構造
本ガイドラインは、役員報酬の設計・決定・開示の流れに沿って、以下の7章から構成されています。また、各章は、経営陣のESG・SDGs課題対応のインセンティブ強化と報酬制度の客観性・透明性確保の観点から、企業等に推奨される取組を規定した複数の原則等から構成されています。
第1章 ESG・SDGsを考慮した役員報酬の設計・決定・開示における重要視点
第2章 ESGやSDGsに関する非財務指標の特定
第3章 ESGの各分野に関する非財務指標の例
第4章 非財務指標の業績連動報酬における組入れの方法
第5章 企業不祥事の業績連動報酬における考慮(クローバック・マルス制度)
第6章 ESG・SDGsを考慮した役員報酬の決定方法
第7章 ESG・SDGsを考慮した役員報酬の開示方法
本ガイドラインに掲げられた原則等は,企業等における現時点のグッド・プラクティスを前提に取りまとめたものであり,企業等を拘束するものではなく,むしろリソース(人材・資本・情報)を十分に有していない企業等が効果的な対応を行うための補助となることを目的としています。
Case Studies
事例紹介
役員報酬におけるESG・SDGs考慮の具体的なイメージを持っていただくために、「ESG・SDGsを考慮した役員報酬ガイドライン」事務局(弁護士鈴木仁史・高橋大祐・中野竹司)は、「ESG・SDGsを考慮した役員報酬に関する事例紹介」を作成しました。
本事例紹介は,ESG・SDGsを考慮した役員報酬の在り方を検討する際の参考にすぎず,筆者ら及び関係団体は、事例で紹介した個別の企業の取組について積極的であれ消極的であれ評価を行う立場にはないことをご留意いただければ幸いです。
ESG・SDGsを考慮した
役員報酬に関する事例紹介


