Email: bhrlawyers.japan@gmail.com

Address: C/O Research Center for Sustainable Peace (RCSP), the University of Tokyo

3-8-1 Komaba, Meguro-ku, Tokyo, 153-8902, JAPAN

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1 東京大学 9号館304B 持続的平和研究センター気付

Tel: (+81)-3-5465-8842

 ENGAGEMENT & REMEDY GUIDELINES  

Call for Public Comments

​パブリックコメントのお願い

 ビジネスと人権ロイヤーズネットワーク(BHR Lawyers)、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)及びビジネスと人権NAP市民社会プラットフォーム(BHR-NAP-CSPF)を幹事協力団体として、マルチステークホルダー関係者から構成される「責任ある企業行動及びサプライ・チェーン研究会」は、「責任ある企業行動及びサプライ・チェーン推進のための対話救済ガイドライン(案)」を策定しました。

 本ガイドラインは、日本企業を対象に、企業と社会の建設的な対話の促進、苦情処理・問題解決制度の強化及び救済アクセスの確保を目的として策定されました。また、東京2020のレガシーの発展、ビジネスと人権に関する国別行動計画の内容の豊富化、日本企業のESG取組の効果的な発信に貢献することも意図しております。

 本プロジェクトは、OECD責任ある企業行動ユニットおよびILO駐日事務所から助言・支援をいただきながら実施されており、また東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会より東京2020応援プログラム(持続可能性)の認証も受けております。

 対話救済ガイドラインは、下記のとおり、4つの文書(⓪序論、①対話救済ガイドライン本文、②苦情処理・問題解決センターガイドライン、③対話救済基本アクション)から構成されています。

 ガイドラインが様々なセクターの関係者の皆さまにとってより実務的で使いやすい内容となるように、下記の4つのガイドライン文書の内容に関して、ご意見をいただければ幸いです。下記のEmailアドレスに皆様のコメントを送付お願いいたします。皆様のコメントをふまえてガイドラインを最終化し、2019年11月中旬を目途に確定版を発表する予定です。

意見募集期間 2019年9月2日(月)~10月18日(金)

提出先・問い合わせ先

 ビジネスと人権ロイヤーズネットワーク事務局

 (担当 弁護士 蔵元左近 ・ 弁護士 高橋大祐)

 Email: bhrlawyers.japan@gmail.com

  〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1 東京大学9号館304B 
 持続的平和研究センター気付
 TEL: 03-5465-8842

提出方法

 提出にあたっては、ご氏名・ご所属及びご連絡先の情報も合わせて記載いただければ幸いです。なお、受領した個人情報は、当団体の個人情報保護方針に基づき、適切に管理します。

​⓪対話救済ガイドライン序論

​①対話救済ガイドライン(本文)

​②苦情処理・問題解決センターガイドライン

​③対話救済基本アクション

​Backgrounds

​ガイドライン策定の趣旨

1 国内外でのルール形成の進展

 現在、責任ある企業行動への期待と関連文書(国連「ビジネスと人権に関する指導原則」(以下「指導原則」)、SDGs(持続可能な開発目標)、OECD多国籍企業行動指針、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資、そして「責任あるサプライ・チェーン」ないし「持続可能なグローバル・サプライ・チェーンを含む)についての認識と実践に関する各国政府・市民社会・機関投資家の支持が広がっています。また、国内外でのルール形成も進んでいます。

 その結果、日本企業(外国企業の子会社・関係会社として日本で設立された企業を含む、以下同じ)は、自社の影響力を行使できる範囲で、責任ある企業行動及びサプライ・チェーン推進を実現するため、サプライ・チェーン(以下、バリュー・チェーンやインベストメント・チェーンを広く含む)における課題を含めた、様々なステークホルダー(利害関係者)の苦情申立や問題提起に対して、より能動的に対処するための苦情処理・問題解決制度(グリーバンス・メカニズム)の強化が期待されています。(序論別紙1「本ガイドライン策定の背景」参照)。

 

2 日本企業が事業レベルでの苦情処理・問題解決制度を強化する意義

 OECD多国籍企業行動指針においては各国連絡窓口(NCP)による非司法的手続としての苦情処理・問題解決制度の仕組みが設置されていますが、日本企業が責任あるサプライ・チェーンの推進を目的として事業レベルでの苦情処理・問題解決制度を強化することは、日本企業自身の持続可能性を高め、経済的利益を含む中長期的な企業価値の維持・創造につながります。すなわち、日本企業における苦情処理・問題解決制度の強化は、①企業不祥事及びレピュテーション上の損害と経済的不利益の発生・拡大の防止、②責任ある企業行動のためのデュー・ディリジェンス、CSR調達、指導原則で言及されている人権デュー・ディリジェンス(以下「人権DD」)の効果的な実施に際しての重要な要素、③取引先・投資家を含むステークホルダーからの信頼の確保と経済的利益(ESG投融資を含む)の獲得、④ステークホルダーとの間の継続的かつ建設的な対話の機会の確保、⑤透明性の高い苦情処理・問題解決制度を通じて、一部の関係者の明らかに不合理な要求を遮断することや悪意のある行動に対して毅然とした対応をとることなど、日本企業にとって多くのメリットがあります(序論別紙2「日本企業が苦情処理・問題解決制度を強化する意義」参照)。そればかりではなく、日本企業における苦情処理・問題解決制度の強化は、SDGsに合致した日本経済と日本社会全体の持続可能性の向上への貢献や、指導原則により期待されている救済へのアクセス確保にもつながります。

 一方、日本企業がステークホルダーの苦情申立や問題提起に対し十分に対応できず、その結果、企業価値が毀損する不祥事が発生した場合、取締役が善管注意義務違反を問われることにもつながりかねません。コーポレートガバナンス・コードにおいては、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題の対処及び内部通報制度の整備いずれに関しても、取締役会が取り組むべき旨が規定されています(序論別紙3「対話救済に関係するコーポレートガバナンス・コードの規定」参照)。

3 広がる日本企業の貢献の機会

 2020年には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催や日本政府の「ビジネスと人権国別行動計画」(以下「国別行動計画」)の策定が予定されているところ、日本企業の苦情処理・問題解決制度の強化は、東京2020のレガシーを発展させ、国別行動計画の内容の豊富化にも資するものです(序論別紙1「本ガイドライン策定の背景」参照)。

 また、日本企業のサプライ・チェーンはアジア全域を始めとする世界の大部分の地域に広がっています。サプライ・チェーンを通じた日本企業の事業レベルでの苦情処理・問題解決制度の強化は、サプライ・チェーン上で生じる問題への対処を可能とするのみならず、サプライヤーに苦情処理・問題解決制度の設置を求めることにも繋がります。さらに、サプライ・チェーンを通じた日本企業の事業レベルでの苦情処理・問題解決制度の強化は、責任ある企業行動の指針・慣行の認識と実践に関し、わが国がアジア地域内で責任ある企業行動の実践についての主導権を発揮し、また、公平な競争条件の設定を支持していく際の重要な手段にもなります。これらの目的は、とりわけ、現在、OECD、ILO及びEUが実施している「アジアにおける責任あるサプライ・チェーンの促進」プログラムにも一致しています(序論別紙4「アジアにおける責任あるサプライ・チェーンプログラムとの関係」参照)。

​Structure

​ガイドラインの構造

 対話救済ガイドラインは、以下の通り、「①責任ある企業行動及びサプライ・チェーン推進のための対話救済ガイドライン(本文)」、「②集団的な苦情処理・問題解決制度(苦情処理・問題解決センター)の整備に関するガイドライン」及び「③責任ある企業行動及びサプライ・チェーン推進のための対話救済基本アクション」から構成されています。

 1 ①対話救済ガイドライン(本文)の概要

 対話救済ガイドライン(本文)は、指導原則の原則31に規定された苦情処理・問題解決制度に関する8つの実効性の規準の要素を日本の実務を踏まえて具体化し、日本企業の苦情処理・問題解決制度の強化に向けて目指すべきモデルを示したものです。

 このガイドラインは、3つの章から構成されています。

 第1章は、苦情処理・問題解決制度に関する基本原則を示しています。

 第2章は、個別企業による苦情処理・問題解決制度の整備に関する実務指針を提供しています。制度のガバナンス、制度の対象範囲、制度へのアクセス確保、苦情処理・問題解決手続、制度の透明性確保、制度の監査・改善・学習などの項目について留意点を示しています。

 第3章は、サプライ・チェーンにおける苦情処理・問題解決に関する実務指針を提供しています。サプライ・チェーンにおける問題に関しては、企業、サプライヤー、ステークホルダーという三者間で対話を行い、苦情処理・問題解決の方法を模索することが必要となります。その特有の留意点を示すと共に、苦情処理・問題解決の実行を容易にするためのサプライ・チェーン契約における苦情処理・問題解決条項のモデル条項を示しています。

 

2 ②集団的な苦情処理・問題解決制度(苦情処理・問題解決センター)ガイドラインの概要

 集団的な苦情処理制度(苦情処理・問題解決センター)の整備に関するガイドラインは、集団的な苦情処理・問題解決制度(苦情処理・問題解決センター)の整備に関する実務指針を提供しています。

 苦情処理・問題解決制度は、通常、個別企業が有するものですが、企業の規模や状況によっては、複数の企業が参加する集団的な苦情処理・問題解決制度を整備し、これを運用することが有益であり、企業から独立した組織・機関(苦情処理・問題解決センター)が集団的な苦情処理制度を提供することで制度の信頼性を高められるものと考えられます。

 そこで、このガイドラインは、集団的な苦情処理・問題解決制度(苦情処理・問題解決センター)を整備する際の留意点を、特に個別企業による苦情処理・問題解決制度との異同、参加企業の役割を中心に示しています。

3 ③対話救済基本アクションの概要

 対話救済基本アクションは、苦情処理・問題解決制度の強化のための基本的なステップを示したものです。

 多くの日本企業は、OECD多国籍企業行動指針、ILO多国籍企業宣言、及び指導原則が規定する、責任ある企業行動に関わる全ての問題(サプライ・チェーンにおける人権への負の影響を含みます)に対処する方針を明確にし、従業員を対象とする内部通報制度や消費者を対象とするクレーム処理制度を既に整備しています。その一方で、より広いステークホルダーを対象とし、国際的に認められた責任ある企業行動への期待(人権や環境・社会的課題の他、サプライ・チェーンにおける課題を含みます)を取り扱う苦情処理・問題解決制度に関しては導入が進んでいないのが現状です。そのため、対話救済ガイドラインに基づく苦情処理・問題解決制度を直ちに構築することが困難な場合も多いといえます。

 そこで、この基本アクションは、自社の影響力を行使できる範囲で、責任ある企業行動及びサプライ・チェーン推進を実現するため、苦情処理・問題解決制度の強化にあたって実施できる基本的なステップを10の行動として規定したものです。企業は、まず、基本アクションに基づき苦情処理・問題解決制度を導入・拡充し、その上で、定期的な制度の見直しを通じて、対話救済ガイドラインを参考として、OECD多国籍企業行動指針、ILO多国籍企業宣言、及び指導原則が規定する、責任ある企業行動に関わる全ての問題(サプライ・チェーンにおける人権への負の影響を含みます)に対処するため、苦情処理・問題解決制度を改善していくことが有益です。

​ガイドラインの活用方法

​Usage

 二つのガイドライン及び基本アクションは、日本企業があまねく遵守すべき規範を定めたものではなく、日本企業にとって参考となる苦情処理・問題解決制度に関する現時点での日本国内外のグッド・プラクティスをふまえた実務指針を示すことを目的としています。日本企業は、本ガイドライン等を自社の苦情処理・問題解決制度の実効性について自己評価をする場合の基準として参照し、苦情処理・問題解決制度を強化していくことが期待されます。
 さらに、労働者・投資家・取引先・市民社会などステークホルダーが、企業の苦情処理・問題解決制度を外部から評価をする際の基準としても参照し、企業との対話にあたって活用することも期待されています。

​Formulation Process

​ガイドラインの策定プロセス

 本ガイドライン等は、企業・投資家・市民社会・有識者・弁護士・国際機関・公的団体の関係者などのマルチステークホルダーから構成される「責任ある企業行動及びサプライ・チェーン研究会」において素案を策定したものです。同研究会は、ビジネスと人権ロイヤーズネットワーク(BHR Lawyers)、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)、ビジネスと人権NAP市民社会プラットフォーム(BHR-NAP-CSPF)が幹事・協力団体を務めています。また、本ガイドライン等の策定・普及に当たっては、OECD責任ある企業行動ユニット及びILO駐日事務所からも有益な助言と協力をいただいていることに感謝の意を表します。
 「責任ある企業行動及びサプライ・チェーン研究会」は、策定した素案について、今後より広く国内外のステークホルダーの方々の意見を照会した上で、本ガイドライン等の第1版を発表します。また、関係機関と連携しながら、その普及・改善に向けた活動を行っていきます。 

​責任あるサプライ・チェーン​研究会概要

対話救済ガイドラインプロジェクト説明資料